心臓が飛び出る当日

バレンタインデー・・そして

鳥かご

そして、いよいよ次の日になりました。

 

いつもと変わらない朝食、いつもと変わらない学校、いつもと変わらない教室・・・どんどん彼と顔を合わせる距離が近くなっていきました。
クラスは違ったけど、普段は廊下か階段ですれ違うたびに話をする仲だったのでこの日もそうなるだろうと思っていました。

 

何時間目の休み時間かは忘れましたが、いつものように彼とばったり会いました。
その瞬間ドキッとして心臓が飛び出しそうでした。

 

彼は不思議そうな顔なのか困った顔なのかわからないけど、明らかにいつもとは違う表情でした。
もちろんあっちから話しかけることは無く、私も彼のいつもと違う表情に戸惑って全く話しかけられないまますれ違うだけで、せっかくのチャンスを逃してしまいました。

 

その後の私は、会った瞬間のドキッよりも、話しかけなかったことの後悔で心臓が押しつぶされそうでした。まるでインフルエンザbに感染したようなドキドキ感です涙

 

メッセージカードにはたった一言

 

『作ったのでたべてね。』

 

の言葉と自分のニックネームを書いただけだったので、何も気にせず私から「おいしかった?」と聞くべきでした。






話しかけなかったせいか、その日を境にしてぱったりと彼と話をすることはなくなりました。
あんなに仲良く話したり冗談言ったりできていたのに、いつ彼と話せるようになるのか私にはわからないまま毎日を過ごすことになりました。

 

「あの時、私のほうから気軽に話しかけていたら、何のわだかまりも無く以前のように話ができていたのかもしれないのに何で話せなかったのだろう?

 

いや、それよりもバレンタインのプレゼントなんて、はじめから渡さなければよかった。
そうしていれば、今も楽しく彼と話していただろうに。」と1年ぐらい後悔しました。

 

それ以降、二年生のクラス替えで一緒になることも無く、三年生になると教室が遠く離れて、どんどん時間が過ぎ、お互い意識することがなくなっても、卒業式が来ても全く話す機会はありませんでした。

 

卒業後に偶然あったりすることも一度もありませんでしたし、最近開かれた同窓会にも彼の姿はありませんでした。

 

今なら何も考えず気楽に話せるのにと思いますが、これから先も会うことはないのかもしれませんね。
バレンタインデーが来るたびに「そんなことがあったな〜。」と懐かしく思い出します。